水琴窟の歴史とこれまで、最近の水琴窟事情

水琴窟のはじまりや現代の水琴窟などについてまとめました。

水琴窟の発祥

地中に埋めた水瓶の底に貯まった水に、地上からの水滴が落ちると金属音のような、風情のある音をだす水琴窟。

明治時代から昭和にかけては廃れる一方で、全国から姿を消したような存在となっていましたが、1980年代から再び表舞台に姿を見せています。

テレビ番組で特集されたことがキッカケとされていますが、その背景には、マリー・シェーファーによって提唱された「サウンドスケープ」の概念もあったのではないかと思います。

サウンドスケープとは?

1960年台に、カナダの作曲家マリー・シェーファーが作った言葉です。
日本語では「音の風景」。目にみえる景色を楽しむように、音も感じてみようという動きが、生まれをカナダとして全世界に少しずつ広がってきました

生まれは江戸時代

水琴窟は、江戸時代に生まれたとされています。

裕福な町家の風流人などが、茶事の際にお庭で楽しんだことが始まりだと言われています。琴の音に似ていることが名前の由来なんだとか。「洞水門」がその原型と書いてあるサイトもありますが、性格なことは分かっていません。

純粋に「音」を楽しむための庭園技法
「カラン」とした音を出す「ししおどし」は有名ですが、純粋に音を楽しむために作られたのは水琴窟の方なんですよ。

水琴窟の中には、わざわざ「竹筒」を使ってその音色を楽しむタイプのものもあります。景色を目で楽しむだけではなく、見えない音からも楽しむという、平安時代に「虫聴きの会」が開催された日本ならではの、細やかな芸術の楽しみですよね。

日本庭園の精神「余剰と余韻」を存分にたのしめる水琴窟
日本庭園の基調の一つに「余剰と余韻」というものがあります。

水が水面に落ちる音そのものよりも、そこから派生する約一秒も響く残響音を楽しむこと。これは、日本庭園の精神の表れともいえるんですね。

残響音が長いからこそ、発生したいくつもの音が重なり合って何とも言えない音楽を聞かせてくれるんですね。

この他にも、水琴窟が土の中に隠れているための「見えがくれ」の精神や、落ち着いた風情のビジュアルによある「侘び寂び」なんかの日本庭園の精神も現れています。

最新の水琴窟

最新では、お庭のインテリア以外にも環境音楽としてセッションやコンサートが開かれたりしています。

また、安らぎの空間を作るためなのか、病院やクリニックなどに設置されている例もあります。雨水をリサイクル利用した、環境のことを考えた水琴窟も出てきています。

静かな中に水琴窟の音色を聞くと、心も穏やかになります。日本の音風景に取り上げられたこともあって、豊かな日本の音風景が見直されているのは嬉しいですよね。